本記事は、M&A仲介会社の手数料体系について説明し、理解を深めることを目的としています。M&Aをお考えの方は、本記事を確認することで、基本的な手数料体系について把握することが出来ます。

１．はじめに

企業成長や事業承継を目的としたM&Aは、専門性の高さ、複雑さから専門家のサポートが欠かせません。以降の記事にて、M&Aにかかる手数料の種類とその一般的な相場について詳しく解説していきます。

２．M&Aにかかる手数料一覧

M&Aにかかる手数料には、大きく以下の４種類があります。

1. リテイナーフィー
2. 着手金
3. 中間金
4. 成功報酬費用

以下で手数料の種類ごとに詳細を解説します。

①リテイナーフィー（買い手/売り手）

リテイナーフィーの概要

リテイナーフィーは、一定期間にわたりM&A仲介会社やアドバイザリー会社と契約を結び、継続的なサポートを受けるための固定費用です。月額または年間契約として設定されることが多いです。

リテイナーフィーの相場

リテイナーフィーは月額固定で数十万円程度が一般的ですが、契約内容や提供されるサービスの範囲によって異なります。近年は、成功報酬型の形態が主流となってきており、リテイナーフィーを設定する会社は少数になってきています。

②着手金（買い手/売り手）

着手金の概要

着手金は、M&A契約が開始される際に支払われる初期費用です。この費用は、仲介会社がリサーチや市場調査、企業概要書の作成、対象企業のリストアップ等の初期作業を開始するために必要な費用です。

着手金の相場

着手金は10万円から200万円程度が相場ですが、近年は、着手金無料のM&A仲介会社が主流となってきています。

③中間金（買い手/売り手）

中間金の概要

中間金は、M&Aの進行において特定のマイルストーン達成時に発生する費用です。一般的には基本合意書の締結後が支払いのタイミングになっています。

中間金の相場

中間金は①無料、②100万円程度、③成功報酬の10~20%程度と設定される場合が一般的です。

④成功報酬（買い手/売り手）

成功報酬の概要

成功報酬費用は、M&A取引が成立した際に支払われる費用です。最終的な株式や事業の譲渡価額を基にした「レーマン方式」と言われる計算式で成功報酬が支払われるケースが一般的です。また取引の規模に関わらず、500~2,500万円程度の最低手数料を設定する会社が多数です。レーマン方式の計算式については次章で解説します。

成功報酬の相場

成功報酬は上述の通り「レーマン方式」と言われる計算式で成功報酬を算出します。また計算のベースとなる金額には、株式/事業の譲渡価額と負債の総額を考慮した「移動総資産ベース」と株式/事業の譲渡価額のみを考慮した「譲渡価額ベース」の2種類があります。

３．レーマン方式とは

①レーマン方式の計算方法

レーマン方式とは、取引金額によって手数料率が変動する計算方法です。一般的なレーマン方式による計算式や手数料率は以下のとおりです。

基本の計算式

成功報酬の金額　＝　取引金額×手数料率%

取引金額

• 移動総資産ベース

譲渡金額＋負債の総額＝取引金額とし、手数料率との計算を行う方法です。

• 譲渡価額ベース

譲渡金額＝取引金額とし、手数料率との計算を行う方法です。

手数料率％

5億円以下の部分：5％

5億円超10億円以下の部分：4%

10億円超50億円以下の部分：3%

50億円超100億円以下の部分：2%

100億円超の部分：1%

②手数料シミュレーション

買取価額が3億円の場合（負債総額1億円）

移動総資産ベースの場合の成功報酬　＝　2千万円

移動総資産　＝　買取価額（3億円）＋負債総額（1億円）　＝　4億円

4億円×５%　＝　2千万円

譲渡価額ベースの場合の成功報酬　＝　1千5百万円

買取価額　＝　3億円

3億円×5%　＝　1千5百万円

買取価額が25億円の場合（負債総額10億円）

移動総資産ベースの場合の成功報酬　＝　1億2千万円

移動総資産　＝　買取価額（25億円）＋負債総額（10億円）　＝　35億円

1. （5億円以下の部分）5億円×5%　＝　25,000,000円
2. （5億円超10億円以下の部分）5億円×4%　＝　20,000,000円
3. （10億円超50億円以下の部分）25億円×3%　＝　75,000,000円

1~3計　＝　1億2千万円

譲渡価額ベースの場合の成功報酬　＝　9千万円

買取価額　＝　25億円

1. （5億円以下の部分）5億円×5%　＝　25,000,000円
2. （5億円超10億円以下の部分）5億円×4%　＝　20,000,000円
3. （10億円超50億円以下の部分）15億円×3%　＝　45,000,000円

1~3計　＝　9千万円

以上の手数料シミュレーションからわかるように、成功報酬の計算方法では、移動総資産をベースにするか、譲渡価額をベースにするかで成功報酬が大きく異なります。M&Aを行う際は、成功報酬の計算に使われる金額の算出方法について、事前に仲介会社に確認することを忘れないようにしましょう。

４．Icon Capitalの手数料と特徴

①Icon Capitalのスタンス

中小企業M&Aの契約後の成約率は2~4割が平均と言われています。低い成約率の要因は、そもそもの成約難易度の高さだけでなく、売り手/買い手の業界や事業の情報整理不足、市場から乖離した条件設定にあると考えています。M&Aが前に進まないのは、滞留案件として見られる等、売主様にとっても大きなリスクです。

Icon Capitalは、役員がプロジェクトにコミットしプロとして企業毎にサービス提供します。着手金を頂戴し、事前に企業診断サービス（簡易ビジネスDD）を実施する点が特徴です。その過程で、プロの観点でご希望に届かない場合は正直にお伝えの上、ご助言させていただきます。一見遠回りに見えますが、適切な事前準備により、親族内承継やM&A成約率が格段に高まります。

②Icon Capitalの料金体系

Icon Capitalは、着手金こそいただくものの（着手金の金額は案件によって要相談）、成功報酬は譲渡価額をベースにしたレーマン方式を採用しており、業界では最安値の水準です。詳しくは以下をご覧いただき、ご不明点等あれば問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。

５. まとめ

M&A仲介会社の手数料体系は多岐にわたり、取引の種類や規模に応じて異なります。適切な手数料設定は取引成功の鍵であり、売り手/買い手双方の利益を最大化させるために重要なことから、M&A仲介業者に業務を依頼する際は手数料体系の仕組みを理解し、不明点があれば必ず質問するようにしましょう。

６．M&Aの相談先

事業承継に課題を抱える経営者の方は、ぜひ一度、Icon Capitalへご相談下さい。Icon Capitalは、経験豊富なアドバイザーが、従業員承継を前提とした投資やM&Aに対して助言を行う会社です。無料相談は随時受け付けていますので、お気軽に電話またはメールでお問い合わせ下さい。

Icon Capitalに相談する3つの理由

1. 従業員承継＆第三者承継の両方から課題解決出来る
2. 無料で専門知識を有しているアドバイザーと相談出来る
3. 成功報酬のみという明瞭性＆最安値水準の報酬体系