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日本の製造業におけるM&Aの実態と成功事例について専門家が解説

製造業界は、日本雇用とGDPの約2割を占める日本の基幹産業でありながら、経営者の高齢化や新型コロナウイルスの影響を受け、様々な課題に直面しています。製造業界が抱える課題の解決策として事業承継が活用されるケースも多く、製造業に携わる経営者の中にはM&Aを検討している方も多いのではないでしょうか。

本記事では、製造業の動向と、M&Aの事例を詳しく解説します。

 

1.製造業界の経営課題

日本の製造業界が直面する課題は多岐にわたります。以下では、特に重要な3つの経営課題について詳しく見ていきます。

 

①人手不足

製造業は、高齢化が進む中、新規求人数が減り人材確保が難しい状況です。2022年度の経済産業省のデータによれば、製造業界における34歳以下の若年層の労働者は、過去20年間で121万人の減少が見られている一方で、高齢の労働者の割合は増加傾向となっている状況です。

 

②技能継承

「若手社員への技能継承ができていない」という点も製造業の課題です。生産現場における技能継承は、生産性に直結する重要なポイントですが、製造業の現場では若手社員の育成をしたくても、教える人材が確保できない等の理由から、技能継承がうまくいかないケースも多くみられます。

 

③原価高騰

素材やエネルギー資源の価格の世界的な高騰は、製造業の業績に大きなダメージを与えています。原材料費や輸送費のコスト上昇により、利益を圧迫する構造は継続すると予想されます。

 

2.製造業のM&A動向

昨今、製造業が直面している様々な経営課題を解決する一つの手段として、M&Aを選択する企業が増えています。製造業界のM&Aは、事業承継や生産性の効率化、販路の拡大等、さまざまな目的で行われます。製造業界におけるM&Aの動向を紹介します。

 

①大手企業による中小企業M&Aの増加

国内において、大手企業による中小企業M&Aは年々増加傾向にあります。これまでは、複数の企業が製造した各部品を、組み立て・加工して製造されることがほとんどでしたが、グループ内で作業プロセスを一気通貫で内製化する動きが進んでいます。

 

②IT化を目的とした異業種M&A の増加

AIやIoT関連の企業とM&Aを実施するケースも増加しています。AIやIoTの仕組みを導入すれば、より高品質な製品を製造できますが、莫大な資金を投じなければなりません。AIやIoTの開発技術を持つ企業を買収することにより、コストを抑えながらノウハウを活用出来るというメリットを感じています。

 

③ファンドによる買収の増加

ファンドによる製造業の買収も近年増加しています。国内には世界に誇る特定の技術力や強い販路をもつ製造業者が少なくなく、こういった特徴のある製造業者がファンドによる買収の対象となるケースがあります。

 

3.製造業界のM&A事例

①ニデック(旧:日本電産)によるOKKのM&A

2022年2月、ニデック(旧:日本電産)はOKKのM&Aを行いました。ニデックは精密小型モータ、車載及び家電・商業・産業用モータ、機器装置の開発・製造・販売を行う電機メーカーです。

対象会社のOKKは、創業100年を超える中小型マシニングセンターの名門企業です。今回のM&Aによりニデックは工作機械分野に本格参入し、グローバルネットワークを通じた販路の拡大を目指します。

参考:ニデック(旧:日本電産)「OKK 株式会社の第三者割当増資の引受に関する資本提携契約締結のお知らせ」

 

②不二精機による秋元精機工業へのM&A

2019年9月、不二精機は精密金型の製作や精密プレス加工等を行っている秋元精機工業を、株式譲渡により子会社化しました。

対象会社の精密プレス加工に関連する技術・ノウハウと自社グループの技術・海外ネットワークを結合することにより、技術力強化と販路の拡大を図っています。

参考:秋元精機工業株式会社「株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

 

③ブルドックソースによるサンフーズのM&A

2019年10月、家庭用・業務用のソースや調味料を製造販売しているブルドックソースは、ソース・食酢を中心に製造販売しているサンフーズのM&Aを行いました。

本事例のM&Aは、ブルドックソースの事業基盤の安定化・事業成長の観点から実施されました。

参考:ブルドックソース株式会社「サンフーズ株式会社株式取得(子会社化)のお知らせ」

 

4.まとめ

製造業界では、後継者不足の他、IT化の推進、サプライチェーンの再構築等の経営課題を解決する手段の1つとしてM&Aが行われています。今後も、企業は戦略的なM&Aを活用し、持続可能な成長を目指すことが期待されます。

 

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