日本において中小企業は全企業のうちの99.7%を占め、雇用や地域経済の活性化に貢献しています。しかし、近年では廃業数の増加が懸念されており、その背景にはさまざまな要因が絡んでいます。本記事では、日本における中小企業の廃業数や廃業率の実態を詳しく分析し、その原因や影響を考察します。
廃業の概要や手続きに関する弊社の過去記事はこちらをご覧下さい。
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廃業数は、企業が事業を停止する際に記録される重要な指標です。2023年は4万9,788社が休廃業・解散を選択しており、過去最多を更新しました。この増加は、経済環境の変化や新型コロナウイルスの影響、少子高齢化や都市部への人口流出に起因する事業承継の失敗等、複数の要因によるものと考えられます。
【参考】東京商工リサーチ:2023年の「休廃業・解散」過去最多の4.97万件、赤字率は過去最悪、倒産増で「退出企業」も過去最多
以下は中小企業庁が開示している2019年度時点の業種別の廃業率を示したデータです。なお、廃業率は以下の計算式で求められます。
廃業率(%)=1年間の消滅会社数÷年間当初の会社数×100
【参考】中小企業庁:2021年版「小規模企業白書」 第3節 開廃業の状況
廃業率が高い業種としては、「宿泊業、飲食サービス業」が挙げられます。これらの業種は、新型コロナウイルスの影響を強く受け、需要の急減や営業制限が廃業を促進しました。また、「生活関連サービス業、娯楽業」や「小売業」も高い廃業率を示しており、消費者の行動変化や競争激化が影響していると考えられます。
一方で、「製造業」や「運輸業、郵便業」、「複合サービス事業」は比較的低い廃業率を示しています。これらの業種は、基盤が安定していることや、需要が一定であることが廃業率の低さに寄与していると考えられます。
収益力の低下や経済環境の変化が、廃業の主要な経済的要因です。特に新型コロナウイルスのパンデミックは、多くの中小企業に深刻な打撃を与え、廃業を余儀なくされるケースが増えました。また、原材料費の高騰や消費者需要の変動による収益性の悪化、それに伴う資金繰りの悪化も企業の存続を脅かしています。
社会的要因としては、高齢化や後継者不足が挙げられます。多くの中小企業経営者が高齢化しており、後継者が見つからないために事業承継が上手くいかず、廃業を選択するケースが増えています。また、都市への人口流出により、地方の中小企業は人材確保が困難になっています。
日本の中小企業の廃業は、多様な経済的・社会的要因が絡み合っており、地域や業種によっても状況が異なります。中小企業の廃業は、地域経済や雇用に大きな影響を及ぼすため、政府や自治体、民間の支援策がますます重要となっています。持続可能な企業運営を実現するためには、経営者の意識改革や新たなビジネスモデルの導入に加え、事業承継の早期準備が求められるでしょう。
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